A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

第二十三回博麗神社例大祭新刊レビューその3

人形使い

 メロンブックスで予約した例大祭新刊が未だに届かないので、手に入れたものからどんどんレビューしていきます。

 それにしても今年は妙に遅いなあ……。


・世にも奇妙な幻想郷・歪(さばーい出版)

 なんだか正統派ホラー系ゴス少女なパッチェさんが表紙の本サークルさんの新刊は、「世にも奇妙な幻想郷」シリーズ、いつの間にか7冊目。今回はフランちゃんの出番が多め。

 「密室」、いつにも増してパッチェさんの汚部屋度合いがアップしている気が……。ゴミはともかく虫が湧いたドーナツ食うのはさすがにアカン。というか今さら密室にされても最初から密室なのでは……。

 「道化師」、渾身のホラーパフォーマンスにバカウケしてる悪ガキ三人組が好き。最終的にぬいぐるみになってしまうピエロもホラーコメディっぽくていいですね。そして霊夢さんはもはや人倫の範疇外の存在になってしまった。いちばん怖いのは人間……。

 「もう一人の自分」、まあ言うてフランちゃん4人に増えるしなあ……。そしてめーりんはいつもどおり。

 「ドアの向こう側」、ある意味これがいちばんホラーかも?


 今日はここまで。

第七藝術劇場「チェコ映画傑作選 火葬人」見てきました!

人形使い

 チェコ映画傑作選もいよいよ今日が最終日!

 今回見てきたのは「火葬人」。



 本作の舞台はこないだ見てきた「第五の騎士は恐怖」と同じくプラハ。

 第二次大戦前夜のプラハに住むカレル・コップフルキングルは葬儀社で火葬を取り仕切る火葬人として働いていきました。

 毎日のように遺体を炉にくべて火葬していく中で、コップフルキングルは周囲の親ナチスの友人たちやユダヤ人を支配することに使命感を燃やす社会情勢に徐々に影響されていき、「死は魂の解放である」という思想に染まっていきます。そして彼は周囲の人間を次々と――。


 これまで見てきたチェコ映画傑作選の中ではいちばんわかりやすかったというかメッセージ性がはっきりしてましたね。

 コップフルキングルはナチスの選民思想にハマったというよりは、最初から自分の中にあった支配欲や優越感に溺れていったと感じました。「死」という人間が絶対に避けられない運命の終着点である火葬の場に居続けることで、自らが「死を支配するもの」だと誤認してしまったのだと思います。彼はああなるべくしてああなったという。

 また、彼の支配欲や優越感への耽溺は一種の逃避と救済の希求のようにも思えました。意味がないのに血液検査を繰り返して、自分の人種的・血統的優位性を求めたり、取り寄せたチベットの宗教本から自分が次のブッダであると思い込んだり。

 外部にある思想への耽溺というより、「自分の頭の中」という最小のエコーチェンバーの中で妄想が肥大化した結果があれという。このへん、SNSを開けば陰謀妄想に溺れきった人々で溢れかえってる現代に見てこそ理解できてしまう部分だと思います。

 自分の中で成長していく「救済」のままに、周囲の人間、果ては自分の子供すらも手にかけていくコップフルキングルの姿がまた、狂気に満ちた殺人鬼とかではなく法悦に満ちてるのがまた気持ち悪くてイイ。

 あと、しばしば彼と同じ顔をしたグルが彼を新たなブッダの生まれ変わりとして導くシーンがあるんですが、総じて「見上げる」視点なんですよね。そして作中ではしばしば死者は絞首されている。これってつまりコップフルキングルもまた本来の自分とはかけ離れた存在になってしまったという意味では死んでいるってことなのかな、と思いました。

 ナチスといえば現実でもフィクションでも強大な悪として描かれますが、本作で描かれているのはむしろ、そういうわかりやすい悪でなくても凡庸ないち市民もちょっとしたきっかけで極端な思想に偏ってしまうということであり、それは2026年のこの現在実際に起こっているというなんともフィクションで済まされない気分になった作品でした。

第二十三回博麗神社例大祭新刊レビューその2

人形使い

 メロンブックスで予約した例大祭新刊が一向に届かないので、手に入れた分から感想を書いていきます。というか別に予約しなくても店頭で買ったほうが早かったよな……。


・東方モノクロ漫画総集編③(ぴょこっとついんて!)

 厳密には例大祭新刊は総集編⑤なんですが、いつの間にか総集編③と④が出ておりそっちも入手したのでここで感想を書いていきます。

 収録作は6作品+描き下ろしの全7本。それでは作品ごとに感想を。

・てゐのう詐欺に要注意っ……!?

 本サークルさんのお気に入りのキャラのひとりであろうてゐのお話。

 いつものように詐欺を働くてゐですが、なんだかんだでいいことをしてしまうというのがほっこりします。本作に限らず、本サークルさんのお話はちびっこも保護者も集まってわちゃわちゃしてるのがとても好き。

 あとこのタイプの掃除機久しぶりに見たな……。

・霊夢のスカートの下はノーパンらしい!?

 あまりにも衝撃的なタイトル。

 紫さまが完全に霊夢の保護者でほっこりします。

 そしてさりげなく「霊夢が履いてたトランクスを履く魔理沙」という絵面がお出しされるのになにかこう倒錯を感じます。

・藍様と喧嘩したので饕餮さんちに家出しますっ!

 獣王園で明らかになった藍さまの昼ドラみたいな過去の人間関係。

 それまで東方二次創作における藍さままわりの人間関係は基本的に八雲一家でまとまっていましたが、これによって八雲一家の二次創作傾向に爆発的な変化が現れました。

 本作はそんな藍さまの昔の女こと饕餮と橙のお話。なんというかごく自然に饕餮が親戚のおじちゃんポジションになってて笑ってしまいます。ツーショット写真を見られてしまうあたりも最高。

 橙にはこのままいい子に育ってほしいですが考えてみると周りの人間関係がドロドロじゃねーか……。

・屋台勝負

 いまいち活気のない人里の屋台を盛り上げるために、屋台勝負がスタート! 参加したのは鯨呑亭、みすちーのおでん、そしててゐと橙のマッサージ屋さん。勝利の栄冠を手にするのはどの屋台か!

 なによりルーミアがやたらちっこくて可愛くて好き。ちゃっかり美味しいところを持っていくのもいい。カラー漫画の方ではルーミアが主役のお話もあるようなのでそっちも読んでみたいです。

 また本サークルさんの作品はわちゃわちゃ感が楽しいので、こういうたくさんのキャラが集まる話だとやはり映えますね。

・「あのキスの理由は教えない」「あのキスの理由を教えてよ」

 これらの作品は実質ふたつでひとつなのでいっぺんに感想を。

 いつもの宴会のときに霊夢に突然キスされてしまった魔理沙。

 その理由を知りたい魔理沙と言いたくない霊夢のお話。

 個人的には魔理沙は不器用なイメージでしたが、本作では霊夢のほうが不器用というか精神的・恋愛的に未成熟で、自分の感情の扱いに戸惑ってる感を感じました。

 そしてその二人のあいだで、いちばん精神的に成熟してるからこそちくりとした嫉妬の痛みを感じているアリスのさりげない描写も好き。

・ちぇんはわたあめを食べてみたい!

 描き下ろし漫画。

 かき氷機と並んで子どもが憧れるであろうわたあめマシン。本サークルさんの作品でいちばんのメインキャラである橙ですが、いろんな側面から「子どもであること」を強調されてる感じですね。ああノスタルジー。

 あとなんだかんだでいい子なてゐも好き。


 今日はここまで。