A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

「ロボット」読了。

人形使い
いやー、結構薄めの本だったにも関わらず密度の濃い話だったなあ。
内容は序幕と1~3幕の全4編構成で、第3幕時点で人類の残り人口が1人っていうのがなんだかとってもシルバーガン。
ちなみにこの作品中でのロボットは、機械機械したものではなく人工の皮膚や神経、骨格から作られたどちらかというと人造人間なイメージ。
で、内容はよくある(というかこっちが多分大元なんだろうけど)ロボットが反乱→人類を攻撃って話。
反乱を起こしたロボットたちは、人類が建築技師アルクビスト一人を残して絶滅した第3幕で、ロボットを作り出すための設計図を失ったためにそれ以上増えることができなくなり、アルクビストに存続の方法はないかと詰め寄る辺りがなんとも悲しい。
また、この作品は小説ではなく戯曲として書かれているので、全編に渡って登場人物たちの行動範囲でしか読者は世界の様子を知ることが出来ないんだが、それが余計に作中の悲壮感を増長してる感じ。
反乱が起こってからしばらくの間は送電されていた電気が、第2幕のラストでついに供給されなくなってしまう辺りとかね。
結局、反乱のきっかけになった痛みを感じる能力を付与されたロボットたちのうちの2体、ヘレナとプリムスが新世界の新たなアダムとイヴになるというラストで話は幕を閉じるんだが……なんだろうこのハッピーともバッドともつかないエンドは。
作中ではいずれあらゆる人種のロボットをつくろうという旨の発言すらあったので、このラストはある意味そこに繋がるんだろうけど。
またこのラストからはロボットが人類に代わって新しく社会を築いていく展開に繋がるんだろうけど、作中で度々繰り返されてきたように、神が自らに似せて人間を造ったように、同じく人間も自分に似せてロボットを造って……ってあたり、実は世代交代はしてなくて、「人間」社会は実質的に存続してるって見方も出来る気がする。
実際第1幕のロボットと第3幕のそれとでは、後者の方はもうほとんど人間との差異は残ってないしなあ。特に自身が傷つくことに対する恐怖の有無。
なんというかその、人間が絶滅してもロボットがその代わりになってしまう、なってしまえるというラストになんだか虚無感を覚える。
ロボットが新しい支配者として上書きされるんじゃなく、結局そのまま存続してしまえるってあたりが。
じゃあ人間は最初からいらなかったんじゃないのか?

しかし古典SFを読むたびに思うんだが、1900年代の初めとかの時点ですでに現在のSFネタってもうほっとんど出てしまってるんだなーとつくづく思う。
この「ロボット」も、話の大まかな筋自体は無数のSF作品がなぞってるしな。
それでも読んでてどきっとする箇所が多くあった。
古典作家の方々には本当にパルパルしてしまう。
さて、次はリラダンの「未来のイヴ」あたりかなあ。

ちなみにこのラストでのび太の鉄人兵団のラストを思い出したことをここに付記しておきます。
実はこの作品から取ったのかも……?
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